2022年に見た映画
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2022年に見た映画は全部で49作だった。数年ぶりに映画館へ行ったり。常時契約しているhuluに見たい映画がよく入るようになったのでうれしい。ときどきAmazonプライムも使った。見た映画には、見ようと思った理由と感想を簡単に添えている。
ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2017)
有名な図書館の裏側をのぞいてみたくて。図書館の存在意義や理念が人を通して描かれていた。大勢を相手に話す人が多く登場するが、みんな話すのが上手でアメリカという感じ。
ボーダー 二つの世界(2018)
ポスターが印象的だったのと、『ぼくのエリ』原作者作品の映画化ということで。醜美の話かと思っていたらトロルの話でびっくりした。ぼかしに興醒めは否めず。
サンセット(2018)
あまり見たことのないハンガリー映画。高級帽子店が舞台というのも。主人公の肩越しに撮るのは監督の手法らしい。つばのある帽子に視界が狭く、混沌とした世界が表れていたような。
エル ELLE(2016)
ポール・ヴァーホーヴェン監督×イザベル・ユペール。ユペールさんのひょうひょうとした快活さが役に合っていた。ミシェルみたいに肝が太くなりたい。
パーム・スプリングス(2020)
ポスターのプールに浮かぶ絵がなんだかよくて、色もきれいだったので。気楽に見れるタイムループ・ラブコメ。毎日同じだとなんでもできるが、意味はあるのか?
バスルーム 裸の2日間(2011)
バスルームに男女がふたり裸で閉じ込められるという設定に好奇心を押さえきれず。しかし、思ったほどエロではなかった。初老の男性が哀れなような、そうでもないような。
たちあがる女(2018)
好きな『馬々と人間たち』の監督。楽隊の存在がアクセントになっていてよかった。馬々にも出てきた旅人がまたひどい目にあっていた。
心と体と(2017)
と畜場が舞台のハンガリー映画ということで。同じ夢を見るというのは恋の始まる感覚を表しているのかなと思ったり。鹿や牛の目が美しかった。
ペトラは静かに対峙する(2018)
邦題の響きが気に入って。Petraはギリシャ語で岩をさすらしい。岩のようにどっしりと対峙していた。主人公の服装も自然体で、カタルーニャの風景に合っていた。
サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ(2014)
フラメンコとロマのつながりを知らなかったので。貧困と切り離すことのできない彼らの歴史はやはり悲しい。
エマの瞳(2017)
目の不自由な女性とプレーボーイの恋という設定が気になり。エマ役のヴァレリア・ゴリノがかわいかった。お金のある中高年が好みそうな服装が多くて、対象の観客もそういう感じなのかな。
消えた画 クメール・ルージュの真実(2013)
カンボジアやポル・ポトのことをよく知らなかったので。土人形とジオラマ、環境音という表現方法に、博物館で展示を見ている感じがした。
コロンバス(2017)
モダニズム建築の町が舞台というのと、監督の名前が変わっていたので。コゴナダという名は、小津安二郎作品の脚本を書いた野田高梧にちなむとか。建築やインテリアの映し方がきれいだった。
レディ・プレイヤー1(2018)
娯楽映画を期待して。また最近のスピルバーグはどんな感じかと。80年代(?)のいろいろが詰め込まれていて中年は郷愁を感じるが、若い人はどう感じるのだろうと思ったり。
スキャナーズ(1981)
クローネンバーグ監督のホラー系作品はまだ見ていないと思い。頭部破裂!役者の棒読みがすごいが、昔の低予算映画はこんな感じだったのだろうか。
ナラタージュ(2017)
フォロー中の市川実日子が出ているので。あのような男たちに時間を割いたことは美しい思い出になり得るのか?
間奏曲はパリで(2014)
イザベル・ユペールとジャン=ピエール・ダルッサンの組み合わせが見たくて。熟年夫婦の懐の深さよ。ステレオタイプな外国人が出てきてどうなのと思ったが。牛がかわいかった。
チャンシルさんには福が多いね(2019)
題名が気に入って。小さくて温かい映画だった。クラピッシュの『猫が行方不明』みたいな。映画好きにはちょっとうれしいあれこれも散りばめられている。
Swallow スワロウ(2019)
印象的なポスターと飲み込むことに興味を持ち。異食症を題材に女性の闘いを描いていた。イラク人のお手伝いさんが闘いであることを理解して、共感を示した場面が好きだった。
恋する遊園地(2020)
遊具に恋する少女を描いたフランス映画ということで。恋する描写は物足りなくて残念だったが、母との確執や性への嫌悪感を克服する成長物語だったのかな。
ナイルの娘(1987)
いつか見たい『悲情城市』の監督ホウ・シャオシェンの作品。夜にぼんやり浮かぶネオンサインがきれいだった。肩パッド、ポケベル、ディスコ、ポップソング。今だから感じられる郷愁が独特の雰囲気を出していた。
エンパイア レコード(1995)
口コミ評価が妙に高いので興味を持ち。楽しく青春。監督はいつか見たい『ベティ・ルーは犯罪者?』の人だった。
行き止まりの世界に生まれて(2018)
自身もスケートボーダーである青年が撮ったドキュメンタリーということで。家庭の暴力の継承性や辛くてもそれなりに希望があることを淡々と描いていて、等身大なのが胸に刺さった。
はちどり(2018)
映画祭で評価が高いようだったので。閉塞感。橋の話はいらないのではと思ったが、韓国の人には時代を象徴するものなのだろうか。
テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018)
制作を断念するまでを撮ったドキュメンタリー『ロスト・イン・ラ・マンチャ』を見てから、ずっと完成を願っていた。ギリアムさん、元気なうちに仕上げられてよかった。
ポルトガル、夏の終わり(2019)
好きなイザベル・ユペールが出演。荒筋を勘違いして復しゅう劇だと思って見ていたので、途中で何かおかしい、となった。シントラの風景がきれい。淡々と会話で進む群像劇はよい。
イリーナ(2018)
あまり見たことのないブルガリアの映画。家の庭で石炭を掘るのが衝撃だった。
異端の鳥(2019)
カラスと土に埋まった少年という印象的なポスター。あまり見たことのないチェコの映画。東欧の寓話的な作り。大人の悪いところを吸い取ってしまった少年は穏やかな生活に戻れるのだろうか。
オールド(2021)
急速に老いる閉ざされた浜辺という設定がおもしろそうで。予想より娯楽的でコメディだった。監督は『シックス・センス』の人だった。
17歳の瞳に映る世界(2020)
多くの映画賞を受賞していたので。大都会に出た不安と中絶の不安を絡めていて共感しやすかった。地理と時間の絡め方もうまく。時代が変わっても少女たちへの性的な視線は変わらない。
ライトハウス(2019)
絶海の孤島に男ふたりという密室劇感が気になり。灯台フェチ?酒により加速される狂気はあまり怖くなく、眠くなってしまった。カモメは怖かった。
海辺のポーリーヌ(1983)
いつか見たいと思っていたエリック・ロメール監督の作品。ポーリーヌが子供のような大人のような。会話はぴよぴよ〜と頭の中を流れていった。夏のあじさいがきれい。
希望の灯り(2018)
フランツ・ロゴフスキのページを作ろうと思い再見。イビサ島のように実際に行くと夢が覚めるから、波の音だけ大事にした方がよいのかも。東独もそういう存在なのかな。
アスファルト(2015)
サミュエル・ベンシェトリのページを作ろうと思い再見。登場人物それぞれがやはりおもしろい。
竜とそばかすの姫(2021)
郷里の風景が出てくるので見た。『サマーウォーズ』もなんだか腹立たしかったが、高揚に向けて都合よく話を切り貼りするのが好きではない。
ベイビーティース(2019)
ポスターがきれいな色。カラフル。きらきら。音楽も好き。ミラの踊る場面とパーティーの光の描き方がよかった。時々ミラがカメラ目線なのはなぜ。にぎやかな鳥たち。乾いた熱い風を感じる。
ガッジョ・ディーロ(1997)
割に好きなロマン・デュリスが出ているロマ映画。gadjo diloはロマニー語でおろかなよそ者。自分の満足のために他者の文化を利用する青年。ロマン・デュリスのへらへら笑顔が合っていた。
シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018)
実在の宮殿というのに興味をひかれ。毎日仕事で30km歩いたあとに建築作業を10時間行う体力がすごい。家族愛の部分は脚色かなと思ったり。家族は苦労していそう。
ピアノ・レッスン(1993)
主題曲が好きで昔よく弾いていたのを思い出し。今見ると官能より変態。娘の「地獄よ!」と叫ぶところがエクソシストみたいでおもしろかった。意固地なのは疲れる生き方、たぶん。
父を探して(2013)
ブラジルのアニメを見たことがなかったので。子供が描いた絵のようなアニメ。ブラジルの歴史を垣間見るような。綿花の生産国であるのも知る。監督は宮崎駿を好きそう。千と千尋やナウシカへのオマージュを感じた。
初恋 お父さん、チビがいなくなりました(2019)
フォロー中の市川実日子が出演。
ディア・エヴァン・ハンセン(2021)
フォロー中のジュリアン・ムーアが出演。
水を抱く女(2020)
フォロー中のフランツ・ロゴフスキが出演。
キャメラを止めるな!(2022)
カメ止めをフランス人が撮るとどうなるのか。ロマン・デュリスが監督役というのも。予算があると映像がきれいで見やすい。役者も豪華。赤青黄の配色がゴダールぽい。真珠湾の件は何の意味が?
ブルー・バイユー(2021)
韓国人のアメリカへの養子縁組について、韓国系アメリカ人が撮った映画ということで。心を揺さぶる作り。どうにもならなかったのがつらい。
ドライブ・マイ・カー(2021)
国際的に評価が高いようだったので。村上春樹×濱口竜介という感じ。それぞれの色が濃く。別の映画でも思ったが、ワーニャ伯父さんの練習風景はなんだか好きだ。
オリ・マキの人生で最も幸せな日(2016)
監督の次作『コンパートメントNo.6』の評価が高いようだったので、先にこちらを見ておこうかと。試合にあっけなく負けるのが実話に基づく、という感じ。
友だちのうちはどこ?(1987)
いつか見たいと思っていたアッバス・キアロスタミ監督の作品。風景や夜の家からもれる色とりどりの明かりが美しい。内容は閉塞感。子供の頃に感じた大人の理不尽さを思い出したり。
The first slam dunk(2022)
久々に映画館へ行ってみるかということで。沖縄バスケへの愛を感じる。試合の描写がすごかった。漫画のキャラが本当のバスケをするように動いていて。井上雅彦氏の執念とアニメ技術の進化よ。