ねおき

沖縄の植物記録

公開

昨年の夏に生物分類技能検定を受けてから、それまであまり興味のなかった植物という存在が気になりはじめた。それで、散歩のときに植物をよく見るようになった。

気付いた植物をこつこつと記録して1年。季節が一巡したので、ひとまず記録を終えることにした。沖縄を去るときが近付いてきたというのもある。

沖縄は本土と気候が違うので、育つ植物も異なるようだ。一般的な植物図鑑に載っていないものが多い。そのため、手持ちの図鑑はほとんど役に立たなかった。

思いのほか便利だったのがGoogleレンズ。見た目に特徴のあるものは高確率で名前を教えてくれる。それから、最近出版された『沖縄の身近な植物図鑑』(林将之・名嘉初美, ボーダーインク, 2022)。庭の植物や外来種も掲載されているので、この本があれば身近で気付く植物はほとんどわかると思う。

植物を見るようになって、まず目に入ったのはセンダングサやアメリカハマグルマ、ギンネムといった繁殖力の強いものだった。そして、葉の形が変わっていたり、花や実の色が鮮やかなもの。

5月から10月は湿気と日差しがきつくて歩けないので、その頃に目立つ植物たちは見逃している。イネ科の植物や雑木林の樹木もいまいち特徴がつかめず、区別ができなかった。

よく歩いた場所は、残波岬と座喜味城。名護の海洋博公園にある熱帯・亜熱帯都市緑化植物園は、都市緑化に役立つ植物に特化しているが、それぞれに名札がついているのでわかりやすい。那覇のデパートりうぼうの屋上にある庭園には、沖縄でよく見る観葉植物がだいたいそろっている。便利な場所にあるが、あまり人もいないし、気楽に観察できる穴場。

残波岬

スナヅル(Cassytha filiformis)
クスノキ目クスノキ科スナヅル属
つる性多年草の寄生植物。橙色の絡まった麺のような見た目で、地表の植物群の上に転がっている。葉は退化。吸盤状の根で他の植物に寄生する。九州南部〜熱帯に分布。
クワズイモ(Alocasia odorum)
オモダカ目サトイモ科クワズイモ属
多年草。巨大な葉っぱ。全体にシュウ酸カルシウムを含んでいるので、触らない方がよい。花は黄色がかった白色で細長く、仏炎苞と呼ばれる葉に守られていて、仏像の趣がある。毒々しい赤色の実がたくさんつく。四国南部〜インドに分布。
アダン(Pandanus odorifer)
タコノキ目タコノキ科タコノキ属
常緑小高木。刺のある細長い葉がびっしり茂る。実はパイナップルに似てごつごつした丸い形で、熟すと橙色になる。奄美〜インドに分布。
テッポウユリ(Lilium longiflorum)
ユリ目ユリ科ユリ属
多年草。春の連休前になると咲き始める白いユリ。南西諸島〜台湾に分布。
クサスギカズラ(Asparagus cochinchinensis)
クサスギカズラ目クサスギカズラ科クサスギカズラ属
多年草。つるのような茎に葉状枝が杉の葉のようについている。葉は退化。春に黄色がかった白い小さな花が咲く。アスパラガスと同じ仲間。本州〜中国に分布。
ススキ(Miscanthus sinensis)
イネ目イネ科ススキ属
多年草。日本〜中国に分布。沖縄のススキはなぜか背が高い。
カタバミ(Oxalis corniculata)
カタバミ目カタバミ科カタバミ属
多年草。茎を地面に伸ばして広がる。葉はハート形で3出複葉。黄色い5弁の花が咲く。日本〜世界に分布。
ムラサキカタバミ(Oxalis debilis)
カタバミ目カタバミ科カタバミ属
多年草。地下に小さな鱗茎が多数あり、散らばって増える。主鱗茎の下方には索引根という太い根がある。葉は根生し、ハート形の3出複葉。花は5弁で紫がかったピンク色。南アメリカ原産。
クソエンドウ(Thermopsis chinensis)
マメ目マメ科センダイハギ属
多年草。葉は倒卵形で3出複葉。茎の上方に淡い黄色の花をたくさんつける。葉をもむと臭いらしい。奄美〜宮古島、台湾、中国に分布。
ナハエボシグサ(Indigofera trifoliata)
マメ目マメ科コマツナギ属
別名ミツバノコマツナギ。多年草。茎を地面に伸ばして広がる。3出複葉。小さな肉厚の葉は縦に折れていて白っぽい裏側がのぞくので、縁取りがあるように見える。花は暗めの赤色。沖縄〜熱帯アジアに分布。
ヒルザキツキミソウ(Oenothera speciosa)
フトモモ目アカバナ科マツヨイグサ属
多年草。テッポウユリと同じ頃に咲き始める。花はお椀形で薄いピンク色。花弁は4枚。たくさんの花がパラボラアンテナのように空を向いて風に揺れる様子は愛らしい。北アメリカ原産。
モモタマナ(Terminalia catappa)
フトモモ目シクンシ科モモタマナ属
別名コバテイシ。半落葉高木。枝先に大きな倒卵形の葉が互生〜束生。枝が横に広がるので、よい木陰ができる。繊維質の果皮をもつ軽い実がよく落ちている。オオコウモリはこの実の果皮が好きらしい。奄美〜熱帯アジアに分布。
アオガンピ(Wikstroemia retusa)
アオイ目ジンチョウゲ科アオガンピ属
別名オキナワガンピ。常緑低木。樹皮は横縞模様が特徴的で、和紙の原料になる。密に対生する丸っこい葉の間に赤い実がつく。沖縄〜フィリピンに分布。
オオハマボウ(Hibiscus tiliaceus)
アオイ目アオイ科フヨウ属
常緑小高木。沖縄ではユウナと呼ぶ。やわらかな花弁に淡い黄色が美しい。葉は心形。似た花が咲くサキシマハマボウの葉はオオハマボウより長い心形。南西諸島〜熱帯に分布。
ハマボッス(Lysimachia mauritiana)
ツツジ目サクラソウ科オカトラノオ属
2年草。肉厚でつやのある葉が螺旋状に密生し、茎の先方に白い花がたくさん咲く。漢字で書くと浜払子。払子ははたきの形をした法具。日本〜太平洋諸島に分布。
ヘクソカズラ(Paederia foetida)
リンドウ目アカネ科ヘクソカズラ属
つる性多年草〜落葉樹。傷つけると悪臭を放つらしい。中心が赤紫色の小さな白い花がたくさん咲く。実は薄茶色で丸い。日本全土〜東南アジアに分布。
グンバイヒルガオ(Ipomoea pes-caprae)
ナス目ヒルガオ科サツマイモ属
多年草。砂地を這うように広がる。軍配の形をした葉が特徴的。花は紫がかったピンク色。南日本〜熱帯に分布。
モンパノキ(Heliotropium arboreum)
ムラサキ目ムラサキ科キダチルリソウ属
常緑低木。倒卵形の葉が枝先に互生〜束生。葉には細かな毛が生えているので白っぽく見え、滑らかな手触り。小さな白い花がたくさん咲く。奄美〜南西諸島に分布。
ランタナ(Lantana camara)
シソ目クマツヅラ科ランタナ属
常緑低木。散形花序。花の色が時間と共に変わるので、外側と内側で色が異なり、色とりどり。熱帯アメリカ原産。世界の侵略的外来種ワースト100。
ヒメキランソウ(Ajuga pygmaea)
シソ目シソ科キランソウ属
多年草。茎を地面に伸ばして広がる。葉は鈍い鋸歯のある披針形で光沢があり、ロゼットをなす。春に咲く花は紫色の唇形で、下側が大きく、白い筋が2本入っている。九州〜中国南部に分布。
クサトベラ(Scaevola taccada)
キク目クサトベラ科クサトベラ属
常緑低木。倒卵形のつやつやした葉が茎の先に互生〜束生。花は白く、下向きの半円形で5裂する。実も白い。南西諸島〜アフリカに分布。
アメリカハマグルマ(Sphagneticola trilobata)
キク目キク科アメリカハマグルマ属
多年草。花は黄色。葉は披針形で浅く3裂したものが多い。地面を這うように広がる。熱帯アメリカ原産。1970年代に緑化用として県内に導入された。世界の侵略的外来種ワースト100。
ツワブキ(Farfugium japonicum)
キク目キク科ツワブキ属
多年草。フキに似た形の葉は濃い緑色でつやがある。冬に黄色い花が咲く。本州〜中国南部に分布。
シマアザミ(Cirsium brevicaule)
キク目キク科アザミ属
多年草。うっすら紫がかった白い花が咲く。葉は硬くて刺が多いので、薄い靴で踏むと痛い。奄美〜沖縄に分布。
ヤドリフカノキ(Schefflera arboricola)
セリ目ウコギ科フカノキ属
常緑低木。掌状複葉。葉の先は丸い。放射状に飛び出た枝の先に橙色の丸い実が鈴なりにつく。台湾や中国の海南島が原産地。
ボタンボウフウ(Peucedanum japonicum)
セリ目セリ科カワラボウフウ属
多年草〜低木。3出複葉の葉がたくさんつき、紙質なのでひらひらした印象。明るい緑色がきれい。沖縄ではサクナや長命草と呼ばれ、薬草や野菜として利用される。関東南部〜台湾に分布。
ナンゴクハマウド(Angelica hirsutiflora)
セリ目セリ科シシウド属
多年草。太い茎に光沢がある濃い緑色の葉が強そうな印象。春になると大きく伸び、茎の先に散形花序の白い花が咲く。花にはハエやカメムシなどがよくいる。沖縄〜台湾に分布。
コバノナンヨウスギ(Araucaria heterophylla)
マツ目ナンヨウスギ科ナンヨウスギ属
別名シマナンヨウスギ、ノーフォークマツ。南太平洋のノーフォーク島原産。水平に広がる枝と円錐形の樹形が遠くからも目立つ。

座喜味城

ニワゼキショウ(Sisyrinchium rosulatum)
クサスギカズラ目アヤメ科ニワゼキショウ属
1年草。本土でも草地でよく見る小さな紫色の花。すっきりした花弁の形と質感が印象的。北アメリカ原産。
ネジバナ(Spiranthes sinensis)
クサスギカズラ目ラン科ネジバナ属
多年草。茎にピンクの花が螺旋状に並んで咲く。沖縄のネジバナは花に毛がないらしい。日本〜インドに分布。
ホルトノキ(Elaeocarpus sylvestris)
カタバミ目ホルトノキ科ホルトノキ属
常緑高木。葉は長楕円形、枝先にまとまって上向きに生える。古い葉は落ちる前に赤くなり、紅葉した葉が緑の間に年中ちらほら見える。平賀源内がオリーブと間違い、ホルト(=ポルトガル)の木と呼んだのが名の由来。関東南部〜ベトナムに分布。
リュウキュウコスミレ(Viola yedoensis var. pseudojaponica)
キントラノオ目スミレ科スミレ属
多年草。ノジスミレの変種。九州南部〜沖縄に分布。
コバナヒメハギ(Polygala paniculata)
マメ目ヒメハギ科ヒメハギ属
1年草。細い葉がぴんぴんと互生。極小の白い花が上方の茎に沿ってたくさん咲く。全体的に柔らかな印象。根はルートビアの香りがするらしい。南アメリカ原産。
カンヒザクラ(Cerasus campanulata)
バラ目バラ科サクラ属
別名ヒカンザクラ。落葉小高木。旧正月の頃、濃いピンクの花が下向きに咲く。開花には寒さが必要で、北の方から順に咲き始める。石垣島、台湾、中国南部に分布。
ユウゲショウ(Oenothera rosea)
フトモモ目アカバナ科マツヨイグサ属
多年草。ヒルザキツキミソウを小さくし、花の色を濃くしたような見た目。夕方ではなく昼間から咲いている。南アメリカ・北アメリカ原産。
キンレンカ(Tropaeolum majus)
アブラナ目ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属
半つる性1年草。蓮に似た丸い葉の間に赤橙色の花が咲く。その様子は水草の浮く金魚鉢を見ているよう。南アメリカ原産。
イジュ(Schima wallichii subsp. noronhae)
ツツジ目ツバキ科ヒメツバキ属
別名ヒメツバキ。常緑高木。梅雨の頃、ツバキを小さくしたような白い花が咲く。遠くからもよく目立ち、花の時期には山のあちこちに白い色が見える。葉は長楕円形で枝の先方にまとまって付く。奄美〜沖縄諸島、八重山諸島〜東南アジアに分布。
モミジヒルガオ(Ipomoea cairica)
ナス目ヒルガオ科サツマイモ属
つる性多年草。葉は5〜7裂に深く裂けている。花は薄紫色で真ん中は濃い。外来種。
ソテツ(Cycas revoluta)
ソテツ目ソテツ科ソテツ属
常緑低木。雌雄異株。九州南部〜沖縄、中国南部に分布。クロマダラソテツシジミという外来種の蝶が群がっていることがある。
リュウキュウマツ(Pinus luchuensis)
マツ目マツ科マツ属
常緑高木。雌雄同株。奄美〜沖縄に分布。松林には夏の終わりになるとクロイワツクツクの鳴き声が響く。
ヒカゲヘゴ(Cyathea lepifera)
ヘゴ目ヘゴ科ヘゴ属
木生シダ。シダがそのまま木の大きさになった姿は壮観。幹に楕円形の葉痕が目立つ。奄美〜フィリピンに分布。

近所

ポトス(Epipremnum aureum)
オモダカ目サトイモ科ハブカズラ属
和名オウゴンカズラ。つる性常緑樹。沖縄では野生化して巨大な葉っぱをつけ、大きな木に絡みついている。
グラジオラス(Gladiolus dalenii)
クサスギカズラ目アヤメ科グラジオラス属
多年草。葉が扇状に広がる立ち姿が特徴的。テッポウユリと同じ頃に咲く。花は黄色が入った赤色で鮮やか。アフリカ原産。
キバナサフランモドキ(Zephyranthes citrina)
クサスギカズラ目ヒガンバナ科タマスダレ属
多年草。タマスダレ属の多くは雨のあとによく咲くため、英語ではRain lilyとも呼ばれる。花は小振りでレモン色。実は黒い。長い台風が去ったあと、ほかの植物たちが暴風や塩害で弱っているなか、ひとりだけ元気に花茎を伸ばし花を咲かせていた。南北アメリカ原産。
ゲットウ(Alpinia zerumbet)
ショウガ目ショウガ科ハナミョウガ属
多年草。月桃の花が咲き始めると、そろそろ梅雨が始まる。晩夏に色付く橙色の実もきれい。実の中には紫色の種が入っている。台湾〜インドに分布。
バナナ(Musa x paradisiaca)
ショウガ目バショウ科バショウ属
多年草。畑でよく見る。沖縄では三尺バナナや島バナナという名の実が売られている。島バナナはさわやかな酸味に花の香りがして美味。東南アジア原産。
リュウキュウボタンヅル(Clematis javana)
キンポウゲ目キンポウゲ科センニンソウ属
つる性常緑樹。3出複葉。小葉は鋸歯縁で浅く3烈する。花は黄色がかった白色。4枚の萼片の上に雄しべが半球状に飛び出し、ふわふわした印象。奄美〜インドに分布。
セイロンベンケイ(Kalanchoe pinnata)
ユキノシタ目ベンケイソウ科カランコエ属
多年草。葉は肉厚で卵形、丸みのある鋸歯。葉の縁に芽が出て、落ちて増える。長い花茎の先方に釣鐘状のピンクの花をたくさんつける。アフリカ原産。
キンチョウ(Kalanchoe delagoensis)
ユキノシタ目ベンケイソウ科カランコエ属
多年草。石垣や舗装された道の隅などでよく見る多肉植物。灰緑色に薄紫色の斑が入る独特な見た目。葉の先に芽が出て、落ちて増える。冬に釣鐘状の朱色の花をつける。マダガスカル原産。
オオバギ(Macaranga tanarius)
キントラノオ目トウダイグサ科オオバギ属
常緑高木。薄い大きな葉がたくさんぶら下がっている。葉柄は葉の中心寄りにつく。雌雄異株。実は青緑で、全体に突起のある変な形。奄美〜オーストラリアに分布。
ギンネム(Leucaena leucocephala)
マメ目マメ科ギンネム属
別名ギンゴウカン。落葉低木。羽状複葉に豆果。花はつぼみのときから真ん丸で、開くとふわふわと白い。葉などにミモシンという有毒アミノ酸を含む。中央アメリカ〜メキシコ原産。世界の侵略的外来種ワースト100。
オオイタビ(Ficus pumila)
バラ目クワ科イチジク属
つる性常緑樹。石垣や木の幹に張り付く幼い葉をよく目にする。関東南部〜東南アジアに分布。
パパイヤ(Carica papaya)
アブラナ目パパイヤ科パパイヤ属
常緑小高木。幹のてっぺんに大きな掌状の葉が茂り、その下に実がなる。幹の中心は空洞。民家の庭によく生えている。熱帯アメリカ原産。
アオイゴケ(Dichondra micrantha)
ナス目ヒルガオ科アオイゴケ属
多年草。小さな丸いハート形の葉が地面を覆うように広がる。関東〜熱帯に分布。
タチアワユキセンダングサ
キク目キク科センダングサ属
1年草。黄色い筒状花と白い舌状花からなる花が通年咲く。種子は線香花火のような形をしたひっつき虫。沖縄ではサシグサと呼ばれる。マダラチョウたちに人気の花。熱帯アメリカ原産。
ニトベギク(Tithonia diversifolia)
キク目キク科ニトベギク属
別名コウテイヒマワリ。多年草。背が高く、ヒマワリのような花が咲く。沖縄では初夏と晩秋が開花時期。中米〜メキシコ原産。

街の木

アカタコノキ(Pandanus utilis)
タコノキ目タコノキ科タコノキ属
別名ビヨウタコノキ。常緑小高木。幹は直立し、根元は気根が束になっている。細長い尖った葉が上向きに生える。実はパイナップルのようにごつごつして丸く、熟すと橙色になる。マダガスカル島沖のマスカリン諸島原産。
ハツミドリ(Agave attenuata)
クサスギカズラ目クサスギカズラ科リュウゼツラン属
別名アガベ・アテナータ。常緑低木。開花までに10年以上かかり、花を咲かせたあとは枯れてしまう。花は立ち上がるように数メートル伸びるので迫力がある。葉は青白く刺がない。メキシコ原産。
フクギ(Garcinia subelliptica)
キントラノオ目フクギ科フクギ属
常緑高木。まっすぐの幹に楕円形で肉厚の葉が上向きに密生する。丸い実はオオコウモリの好物。台湾〜フィリピン原産。
テイキンザクラ(Jatropha integerrima)
キントラノオ目トウダイグサ科ナンヨウアブラギリ属
常緑低木。花の形は桜に似ている。花弁の紅色に雄しべの鮮やかな黄色が映える。カリブ海原産。
アカギ(Bischofia javanica)
キントラノオ目コミカンソウ科アカギ属
常緑高木。赤褐色の樹皮が特徴的。アレロパシーをもち、移入先の小笠原では侵略的な存在となっている。沖縄〜オーストラリアに分布。
ホウオウボク(Delonix regia)
マメ目マメ科ホウオウボク属
落葉高木。羽状複葉。樹冠は横に広い傘形。夏から秋に鮮やかな赤色の花が咲く。大きな豆果にびっくりする。マダガスカル原産。
デイゴ(Erythrina variegata)
マメ目マメ科デイゴ属
落葉高木。葉は3出複葉、形はクズに似ている。5月頃に蝶の形をした鮮やかな赤色の花が並んで咲く。沖縄の県花。東南アジア〜インド原産。
ガジュマル(Ficus microcarpa)
バラ目クワ科イチジク属
常緑高木。気根を垂らす。葉は小さめ、つやのある楕円形。南西諸島〜インド・オーストラリアに分布。
モクマオウ(Casuarina equisetifolia)
ブナ目モクマオウ科モクマオウ属
別名トクサバモクマオウ。常緑高木。トクサに似た葉状枝がふさふさと茂っている。葉は微小な鱗片。オーストラリア〜東南アジア原産。
タイワンモクゲンジ(Koelreuteria elegans subsp. formosana)
ムクロジ目ムクロジ科モクゲンジ属
落葉高木。晩夏、枝先に小さな黄色い花が咲き、すぐあとにホオズキのような紙質のピンク色の実がなる。台湾原産。
ハイビスカス(Hibiscus hybridus)
アオイ目アオイ科フヨウ属
常緑低木。多くの品種があるが、沖縄ではアカバナーと呼ばれるブッソウゲをよく見る。ハワイ〜アフリカ原産。
ブーゲンビレア(Bougainvillea spp.)
ナデシコ目オシロイバナ科イカダカズラ属
半つる性常緑低木。花弁のように見えるのは苞(ほう)と呼ばれる葉。秋はいちだんと色鮮やか。南アメリカ原産。
サガリバナ(Barringtonia racemosa)
ツツジ目サガリバナ科サガリバナ属
常緑小高木。大きな倒卵形の葉が互生〜束生する。葉の陰に丸いつぼみのたくさんついた茎がぶら下がる。奄美〜東アフリカに分布。
サンダンカ(Ixora chinensis)
リンドウ目アカネ科サンダンカ属
別名サンタンカ。常緑低木。朱色〜赤色の小花がまとまって咲く。花弁は4裂し、先端は丸い。中国南部〜熱帯アジア原産。沖縄には古くからあり、沖縄三名花のひとつと言われる。
ハナチョウジ(Russelia equisetiformis)
シソ目オオバコ科ハナチョウジ属
常緑低木。細い茎が弓状に垂れ下がり、その先に細い筒状の赤い花がつく。葉の多くは退化。メキシコ原産。
オオタニワタリ類(Asplenium spp.)
シダ植物門チャセンシダ科チャセンシダ属
湿った木の幹や岩の上に着生する大型のシダ。切れ込みのない細長い葉が放射状に広がる。新芽はおいしい。本州南部〜東南アジアに分布。

新都心公園

オカミズオジギソウ(Neptunia pubescens)
マメ目マメ科ミズオジギソウ属
多年草。葉はオジギソウと同じで、触ると閉じるらしい。黄色の頭状花序。熱帯アメリカ原産。
タチシバハギ(Desmodium incanum)
マメ目マメ科アコウマイハギ属
多年草。シロツメクサの葉を長細くしたような見た目。花は蝶形でピンク色。実の表面には短い毛が生えていて、物にくっついて広がる。熱帯アメリカ原産。
アコウ(Ficus subpisocarpa)
バラ目クワ科イチジク属
半常緑高木。気根を垂らす。葉は大きく、細めの楕円形。一斉に落葉し、すぐに芽が出る。イチジクの実に似た花を幹や枝に直接つける。10月頃に見たとき、落葉した葉が地面に残るなか、木にはすでに新芽が育ち花も咲いていた。本州南部〜インドシナに分布。

東南植物楽園

センネンボク(Cordyline fruticosa)
クサスギカズラ目クサスギカズラ科センネンボク属
別名コルディリネ。常緑低木。直立した茎の先方に細めの葉が上向きにまとまって付く。鮮やかな赤色の葉をつけるアイチアカという品種を庭先でよく見る。南アジア〜オセアニア原産。
アカリファ(Acalypha wilkesiana)
キントラノオ目トウダイグサ科エノキグサ属
常緑低木。赤色や緑色の広卵形の葉が密に生えている。栽培品種が多くある。葉が赤銅色のニシキアカリファ、緑色に黄緑の縁取りがあるキフクリンアカリファなど。太平洋諸島原産。
ベニヒモノキ(Acalypha hispida)
キントラノオ目トウダイグサ科エノキグサ属
別名ナガボアミガサノキ。常緑低木。ふわふわした穂状の赤い花が垂れ下がる。パプアニューギニア原産。
クロトン
キントラノオ目トウダイグサ科ヘンヨウボク属
和名ヘンヨウボク。常緑低木。葉の形、色や模様もさまざま。つやのある葉が互生〜束生する。インドネシア〜オセアニア原産。
オオベニゴウカン(Calliandra haematocephala)
マメ目マメ科ベニゴウカン属
別名アカバナブラシマメ。常緑低木。糸状の長い雄しべがたくさん飛び出し、ほぼ球形になった花が咲く。鮮やかな赤色が華やか。ボリビア原産。
コケセンボンギクモドキ(Erigeron bellioides)
キク目キク科ムカシヨモギ属
多年草。全体的に極小。ひょろりと伸びた茎の先にハルジオンに似た数ミリの花が咲く。葉はスプーン形でロゼットをなす。カリブ海原産。

万座毛

ハマオモト(Crinum asiaticum)
クサスギカズラ目ヒガンバナ科ハマオモト属
別名ハマユウ。多年草。波打つ大きくて長い葉。葉の間から伸びる茎の先に、細長い紐のような白い花が咲く。ヒガンバナと同じ有毒植物。関東南部〜インドに分布。
イソノギク(Aster asagrayi Makino)
キク目キク科シオン属
多年草。葉は肉厚の長楕円形。花は黄色の筒状花と白い舌状花からなる。葉も花も全体的にぷっくりした印象で愛らしい。奄美〜本島(恩納)に分布。

トックリ仲間

トックリラン(Beaucarnea recurvata)
クサスギカズラ目クサスギカズラ科トックリラン属
常緑小高木。幹の根本が徳利のようにふくらんでいる。幹の先から細長い葉が噴水のように生え出ている。メキシコ原産。
トックリキワタ(Ceiba speciosa)
アオイ目アオイ科セイバ属
落葉高木。幹は徳利のようにふくらみ、鋭い刺が生えていることもある。掌状複葉。落葉後にピンクの花が咲く。沖縄では秋から冬にかけてが見頃。花が終わるとぽってりした大きな実がぶら下がる。実には白い綿に包まれた種子がたくさん詰まっている。南アメリカ原産。
トックリヤシ(Hyophorbe lagenicaulis)
ヤシ目ヤシ科トックリヤシ属
常緑低木。幹の根本が徳利のようにふくらんでいる。羽状複葉。インド洋のマスカリン諸島にあるロンド島が原産地。
トックリヤシモドキ(Hyophorbe verschaffeltii)
ヤシ目ヤシ科トックリヤシ属
常緑小高木。幹の中間がふくらんでいる。羽状複葉。インド洋のマスカリン諸島にあるロドリゲス島が原産地。

ヤシ仲間

ビロウ(Livistona chinensis)
ヤシ目ヤシ科ビロウ属
常緑高木。沖縄ではクバと呼ばれる。掌状裂。九州四国南部〜中国南部に分布。
クロツグ(Arenga engleri)
ヤシ目ヤシ科クロツグ属
常緑低木。羽状複葉。幹が短く、地面から葉が生えているように見える。奄美〜台湾に分布。
ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)
ヤシ目ヤシ科ナツメヤシ属
常緑高木。ぎざぎざした印象の羽状複葉。幹は葉柄の基部が残り、ごつごつしている。実は食用で、デーツと呼ばれる。アメリカンビレッジの通りに多く植えられている。北アフリカ〜西アジア原産。
アレカヤシ(Dypsis lutescens)
ヤシ目ヤシ科アレカヤシ属
常緑小高木。羽状複葉。黄色がかった細い幹には節が並んでいて、郷里のたけのこ寿司を思い出す。マダガスカル原産。
ミツヤヤシ(Dypsis decaryi)
ヤシ目ヤシ科アレカヤシ属
常緑高木。羽状複葉。葉鞘が三角柱状に幹につくため、3方向に葉が出ている。マダガスカル原産。
マニラヤシ(Veitchia merrillii)
ヤシ目ヤシ科フィジーノヤシ属
常緑小高木。羽状複葉。葉軸は曲線を描く。実は赤い。フィリピン原産。
ヤエヤマヤシ(Satakentia liukiuensis)
ヤシ目ヤシ科ヤエヤマヤシ属
常緑高木。沖縄ではビンローと呼ばれる。羽状複葉。葉鞘は紫がかっている。石垣島、西表島に分布。
ユスラヤシ(Archontophoenix alexandrae)
ヤシ目ヤシ科ユスラヤシ属
常緑高木。羽状複葉。幹が細く背が高い。東南植物楽園にたくさん植えられている。オーストラリア原産。