ねおき

生物分類技能検定を受けた話

公開

夏の終わりごろ、自然環境研究センターが主催する生物分類技能検定を受けてみた。この検定は、動植物に関する分類知識の向上と、生物調査にかかわる人材の育成を目的に行われている。

検定は1級から4級にわかれていて、受験したのは3級。生物が好きな一般の人を対象にした級で、レベルは準プロである。

出題された問題には知らないことも多く、ぎりぎりだめかなあと思っていたが、無事に合格。先日届いた合格者プレゼントの野帳をぱらぱらしながら満足感に浸っているところだ。

とはいえ、駆け足で勉強したので、知りたいことはまだたくさんあって、広大な未知の入り口に立ったという感じ。

勉強は、主催者が出している解説集と過去問集を読み、Wikipediaに載っている生物分類を確認しながらノートを作るという方法で行った。

ゲノム解析が進歩して、最近は分類が活発に見直されているようで、詳しいと思っていた鳥類の分類もいつのまにか大きく変わっていた。魚類というまとまりが分類学的になくなっていたのも衝撃だった。

この検定の存在を知ったのは、春に那覇へ遊びに行ったとき、漫湖水鳥・湿地センターに置かれていたちらしを見たからだった。問題例として鳥のシルエットクイズみたいなのが書かれていて、これ楽勝だし、おもしろそうと思ったのだ。

漫湖はラムサール条約に登録されている湿地で、那覇の中心街のすぐそばにある。都会のビル群を背景に広がる干潟を眺めると、人間と野生生物の生きる場がつながっていることを実感する。

干潟では、希少な渡り鳥のクロツラヘラサギが長いくちばしを振りながら食事をしていたり。テッポウエビのはさみを閉じる、ぱちんぱちんという音はとても大きかった。

近頃は、検定の勉強をしてわかった不得手な分野「植物」を開拓すべく、散歩のときは道端の植物を気に留めながら歩いている。あいまいな緑の塊だったものが、それぞれ形をもって見えてくるのが楽しい毎日。

開花したアガベ・アテナータと共に