すばらしき世界
詳細
- 公開年
- 2020
- 製作国
- 日本
- 監督
- 西川美和
Nishikawa Miwa
更新
1974年、広島県生まれ。早稲田大学美術史学卒業。大学在学中に是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』にスタッフとして参加。同監督の『Distance ディスタンス』などで助監督を務めたのち、『蛇イチゴ』(2003)で初監督。長編2作目の『ゆれる』(2006)は、毎日映画コンクール日本映画大賞、ブルーリボン賞監督賞などを受賞した。また小説の執筆も行っていて、『ゆれる』を小説化した作品は三島由紀夫賞候補となった。
人気小説家の幸夫が愛人と情事に耽る夜、彼の妻はバスの事故で冷たい水底に沈む。表向きは悲しみに沈む夫を演ずる幸夫だが、本当の気持ちは自分でもわかっていない。罪悪感なのか後悔なのか愛情なのか。主演の本木雅弘は、ちっぽけで自己愛の塊だがどこか憎めない幸夫を演じきった。
貫也と里子の夫婦は、苦労して開いた小料理屋を火事で失う。しっかり者の里子はまた一からやり直そうと前を向くが、貫也は自分の夢にひたすら付いて来る彼女が少し重い。そんな彼らはある出来事をきっかけに、新しい店の資金を得るため結婚詐欺を始めるが。人生、自分の足で立っていますか?
ある日、高齢化の進む小さな村の診療医が忽然と姿を消した。引き受ける人が少ない仕事を担ったことから、村人たちに歓迎され大事にされた彼がいなくなった理由とは。命を扱うということとは。主演の笑福亭鶴瓶がよい味を出している。
夏目漱石『夢十夜』を元にしたオムニバス。西川美和は第九夜を監督。大戦に出征した夫の無事を願い、お百度参りをする妻。戦争など嫌いだと言っていたのに。回想する母親を見透かすように見つめる幼子が。
東京で写真家として成功し、女にも不自由しない猛。母の法事で帰省した彼は、家業のガソリンスタンドを継ぐまじめでお人好しの兄稔が幼なじみの智恵子と楽しげに話す様子を見て、心が揺らめく。兄への想い、ねたみの気持ち。錯綜。
女性作家5人が女性をテーマに書き下ろした同名作を映像化したオムニバス。西川美和は『女神のかかと』を監督。同級生の彼女よりも、その母親の美しさにひかれる少年。そして、その気持ちに心を許す母親の女心。
サラリーマンの父、主婦の母、認知症の祖父、小学校教師の娘。一見ありふれた家族は、祖父の死を境にほころびはじめる。期せずして現れた、父から勘当された口八丁手八丁の嘘つき息子は、家族の救世主となり得るのか。