リウ・イエ

中国南西部の山間。人気のない川辺で無惨に殺された男の死体が見つかる。確たる証拠もなく犯人扱いされた自動車修理工のソン（リウ・イエ）は、村人たちの疑いを晴らすべく自力で犯人を探し始める。荒涼とした風景に、ソンの朴訥な田舎者さと真犯人の珍妙さがおかしいブラックコメディ。

フランスから中国に留学中のフルート奏者エルサは、養蚕場で蚕のために尺八を吹く男マーに出会う。蚕を殺さず糸を取れる餌の木「庭漆」を探して彼らは仲を深めるが。リウ・イエはマーの弟でパリに住む入れ墨師。庭漆を食べ羽化した蚕は夜孔雀。彼はその美しい蛾をエルサに刻む。交錯する時間軸に、絹織物「蜀錦」の産地である成都とパリの風景が溶け合う。

元警官の男（リウ・イエ）は、駐車場の警備員をしながら、突然姿を消した婚約者を探す日々を送っていた。そこに最近起こった殺人事件の被害者の妹だという若い娘が現れ、彼に協力を求める。すべては、男が捜査で係わった10年前の事件に関係するようであった。撮影地の武漢の風景が美しいサスペンス・スリラー。

夢を追って中国からニューヨークに渡ったジャスミン。北京で成功を収めた若きCEOのレニー（リウ・イエ）。幼なじみの彼らはニューヨークで再会し、昔の想いが再燃するが。ジャスミンに芸術の女神を見い出したアーティストのジョーを交え、錯綜する愛をスタイリッシュに描く。『恋する惑星』のクリストファー・ドイルが撮る情景は美しい。

老練な刑事ジョン（ジャッキー・チェン）は、疎遠な娘に会うため、繁華街にあるナイトクラブを訪れる。堅固な要塞のような建物の中ではパーティーが開かれ、娘は場違いな彼にオーナーのウー（リウ・イエ）を恋人だと紹介する。謎めいたウーをジョンは疑いの目で見るのだが。やがて事態は密室立てこもり事件へと発展する。監督は『アンダードッグ』のディン・シェン。

馬の繁殖研究所で働く男（リウ・イエ）と美しい女。出会ってすぐに結婚した彼らだったが、家業が農村の屠殺業であることを受け入れられずに大人になった男と、上流生活を望む女の仲は急速に冷えていく。そして、一人息子の親権を巡り、憎憎しい戦いが始まるのだった。

（人気俳優7名が監督する短編映画企画の一作）

前漢の初代皇帝である劉邦（リウ・イエ）は、死の床で来し方を思い起こす。悪夢のように彼を悩まし続ける敵であった項羽と韓信。そして、皇后の呂雉は彼の枕元ですべては片付いたとささやき、韓信の首を差し出すのだった。欲望や恐れ、猜疑心に付きまとわれた暗い人間劇だが、主役は男前揃いである。監督は『南京！南京！』のルー・チューアン。

お人好しの警官ファン・ジェンドン（リウ・イエ）は、偶然出会った小悪魔リ・ペイルーにひかれ、身も心もずたずたな彼女の面倒を何くれと見る。自分のことで手一杯の彼女はある日姿を消すが、ファンが認知症を患っていることを知り、静かに決意するのだった。

水筒を首から提げて悪人退治をするラオサン（リウ・イエ）は、仕事の配達先で銀行強盗に遭遇する。犯人の逮捕に一役買った彼は、その銀行で働く女性と恋仲になるが、彼女は事件の解決に当たった刑事の妹だったため、犯人の一味に狙われることとなる。平明な筋書きにアクションが映えるが、ラオサンの魅力は半減。

恋人と別れ話をする社長の男。自殺を考える中年の男。刹那的な女遊びを楽しむ若い男。父の恋人に複雑な感情を抱く片親の少女。北京という都会を舞台に、時間をうまく操り、彼らの過去や思いを“車”を介して結びつける展開がおもしろい。リウ・イエは、温かな心を忘れてしまった社長の男を演じる。監督は『こころの湯』『胡同のひまわり』のチャン・ヤン。

女優ジャン・ウェンリーの自伝的な初監督作品。文化大革命時の中国。両親が強制労働に送られ、幼い頃から祖父と暮らす少女、蒋小蘭。蘭のように高貴であれと祖父がつけてくれた名前だったが、国家の敵、蒋介石と同じ名字ということもあり、少女は世間から冷遇されていた。そんな彼女を温かく見守り育てる祖父と少女の物語。リウ・イエは、運動施設の若い武術指導者として少しだけ登場。

日中戦争初期の南京事件の模様を、戦争の理不尽さに慣れることができない日本人通訳兵の視点を中心に描く。リウ・イエは、脱出しようとする自国兵を押しとどめ、南京を守ろうと最後まで戦う中国兵士の役。

訓練中の事故で知的障害を負ったラオサン（リウ・イエ）は、その正義感の強さから海軍を退役後も槍を片手に悪人と戦う市井の世直し人となる。筋骨隆々で役に挑んだリウ・イエ。

米映画『セルラー』の香港リメイク。テンポのよいサスペンス・アクションでなかなか楽しめる。リウ・イエはいかにも悪者な誘拐犯で登場。

野望を抱く兄カンに誘われ上京する弟フーと親友フォン。三人は真の兄弟のように仲がよかったのだが、カンが引き受けたある仕事を境に事態は暗転する。1930年代の上海を舞台にしたハードボイルド。リウ・イエは超冷酷な男を演じる。

中国からアメリカの大学院へやって来た留学生のリゥ。尊敬する教授の研究室に迎え入れられ、科学者としての成功を夢見るのだったが。己の宇宙論への情熱が仇となってしまった頭脳明晰な学生リゥをリウ・イエが演じる。

雑技団で空中演技の花形として活躍する米尼は、人生は痛みで満ちていると考える。ビデオ店で働く阿康（a kang）（リウ・イエ）は、スリで得た財布の中身から他人の人生を考える。彼は、ビデオ店に立ち寄った米尼に、雪の日に富士山から身を投げる女性の恋物語を勧める。やがて彼らは恋に落ちるのだが。イヤーカフを着けた今時な若者風のリウ・イエ。

10世紀の中国に生まれた王朝、後唐の王宮を舞台にした愛憎物語。絢爛な描写と豪華キャストが見所。リウ・イエは、継母である美しい王妃と密通したり、自分の能力に自信が持てなかったりと少しばかり不甲斐ない皇太子を演じる。

日中韓の人気スターが集結したアクション・ファンタジー。真実の愛と引換えに望むものを手に入れた王妃をはじめ、それぞれの人生の“約束”に翻弄される人々を壮大に描く。リウ・イエはとても顔色の悪い刺客“鬼狼”役で登場。

台湾版『花より男子』こと『流星花園』で人気の出たバービィー・スー主演のスリラー。幼い娘を連れてマンションで新たな暮らしを始めたリンのまわりで不可思議なできごとが起き始める。リウ・イエは彼女の隣人役で登場。

ヤクザの組長である父からたくさんの愛情を受けて育った娘は、純真であどけない。ある事から女親分に祭り上げられた彼女は、抗争を終らせようとするが。リウ・イエは彼女を護衛するヤクザ青年として登場。

紀元前3世紀の中国。秦の始皇帝の暗殺に挑んだ伝説の刺客、荊軻（けいか）。秦によって安住の土地を追われた少年が、平和で穏やかな暮らしを求めながらも刺客とならざるを得なかった過程を丁寧に描く。リウ・イエ主演のテレビドラマ。

チャン・ツィイーがひとりで三世代を演じた作品。男と子どもという女の人生に大きな影響を与えそうな要素を軸に、運命に翻弄されつつも自分の意思で強く生きようとする女たちを描く。リウ・イエはその中の一人に関わる男性を演じる。

文化大革命時の中国。下方政策のため山奥で労働に従事するシンユーは、父を見舞った帰り道、川向こうの隊のシモン（リウ・イエ）と出会う。奔放で積極的なシモンにひかれる彼女だが、彼は彼女の隊と一悶着あったうえ、隊のリーダーは彼女の恋人なのだった。シンユーの選ぶ運命と愛とは。

亡き恋人の残した絵の風景を探して、彼が幼少期を過ごした青島を訪れるマン。そこで彼女に出会い、風景探しを手伝うことになった青年シャオリェ役にリウ・イエ。亡き恋人への思いを整理できないマンに、切ない顔を向ける彼を見ていたら萌。

1931年上海。以前に恋仲であったシンシアと伊丹は、思わぬ形で再会することになる。戦争という大きな流れに翻弄される彼らの出会い。リウ・イエは彼らの関係に巻き込まれる青年として登場。カメラワークに見所あり。

実在の女流画家 潘玉良が画家として成功するまでを描いた伝記ドラマ。監督は映画『藍宇』のスタンリー・クワン。フー・ジュン演じる夫との関係を中心に、彼女の半生を丁寧に描く。リウ・イエは彼女の友人となる画学生として登場。

中国の山村で暮らす父と息子（リウ・イエ）。兄を探して村を訪れ、彼らと暮らすようになった少女。見えない、聞こえない、話せない。それぞれ障害を持つ彼らのコミュニケーションを助けるのは、心のつながり。空に近い風景が美しい。

文化革命時の中国。反革命分子の子として山奥の村に送り込まれた二人の青年。厳しい労働の中、彼らは美しいお針子の娘と出会う。人目を忍び彼らは西欧文学を彼女に読み聞かせるのだが。リウ・イエはヴァイオリンを愛する誠実な青年マーを演じる。

貿易会社を経営する捍東（ハントン）は、東北地方から上京してきた学生の藍宇（リウ・イエ）を金で買う。一夜限りの関係のはずだったが、藍宇の純朴な思いに遊び人の捍東の心は揺れるのだった。男同士の純愛を10年のスパンで描く。リウ・イエの悲しい顔に涙。

中国西部の山間。山を歩き、川を渡り、村々へ郵便物を届ける。跡を継ぐ息子（リウ・イエ）を連れ、最後の集配の旅に出る郵便配達人。父と長く歩いた道案内役の犬は息子をまだ認めていない風情。原題の「あの山、人、犬」のとおり、素朴で美しい映画。父の思いに涙が出る。