El Pepe, una vida suprema
世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ
- 公開年
- 2018
- 製作国
- アルゼンチン
- ウルグアイ
- セルビア
- 監督
- エミール・クストリッツァ
Емир Кустурица, Emir Kusturica
更新
1954年、旧ユーゴスラビアのサラエボ生まれ。プラハの映画学校FAMUで学んだ後、サラエボに戻りテレビ映画の制作に携わる。1981年『ドリー・ベルを覚えているかい?』で長編映画デビュー。同作はヴェネツィア国際映画祭で新人監督賞と国際映画批評家連盟賞を受賞。続く『パパは、出張中!』(1985)でカンヌ国際映画祭パルム・ドール、『ジプシーのとき』(1988)でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。その後、一時期アメリカに渡り、コロンビア大学で教鞭をとっていた。その頃に制作の『アリゾナ・ドリーム』(1992)はベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した。アメリカからフランスに移住後、『アンダーグラウンド』(1995)を制作。同作は2回目となるパルム・ドールを得るが、政治的論争を引き起こし、クストリッツァは引退宣言を一時出した。復帰後の『黒猫・白猫』(1998)ではヴェネツィア映画祭銀獅子賞を受賞。『ライフ・イズ・ミラクル』(2004)のロケ地に魅せられた彼は、この地を買い取り自分の村「kustendorf」を作った。また監督業のほか、音楽バンドThe No Smoking Orchestraのギタリストとしても活躍している。
世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ
オン・ザ・ミルキー・ロード
戦争中のとある村。黒傘を掲げてロバに乗り、毎日前線に牛乳を配達するコスタ。牛主の美女ミレナから熱烈な愛を寄せられるコスタだが、村にやってきた謎めいたイタリア人の花嫁に恋をする。クストリッツァ監督が自らコスタを演じ、過去作品のあれこれが散りばめられ、大活躍の動物たちが総集編という感じ。もしかして最後のフィクション作品なのかという考えがよぎる。
(神々とのことば)
マラドーナ
アルゼンチンの英雄となったサッカー選手、マラドーナ。彼は自分の映画に登場する人物のようだとクストリッツァは言う。アルゼンチンへ赴きインタビューを試み、セルビアに招いて家族を紹介したり。マラドーナの素顔に迫ろうとするクストリッツァ氏だが、それは達成されたのだろうか。
ウェディング・ベルを鳴らせ!
セルビアの小さな小さな村で暮らす少年ツァーネは、町へ出て牛を売り、三つのことをなしなさい、と祖父から申し渡される。下品ではちゃめちゃ、ハッピーエンドなコメディ。
それでも生きる子供たちへ
世界各国の監督が集い、過酷な境遇で生きる子どもたちを描いたオムニバス。エミール・クストリッツァは『ブルー・ジプシー』というタイトルで、窃盗団の頭を父にもつ少年を描く。マルヤンは少年院を出たら美容師になりたいという思いを胸に抱いているのだが。
ライフ・イズ・ミラクル
1992年、紛争下のボスニア・ヘルツェゴビナ。セルビア人の鉄道技師ルカは、捕虜として連れ込まれたムスリム人の娘と恋に落ちる。しかし、彼女はいずれ交換捕虜として引渡される身。叶わぬ恋、家族への思いで苦悩するルカに奇跡は訪れるのか。名脇役にロバ。
Super 8
エミール・クストリッツァもメンバーであるノー・スモーキング・オーケストラ。ツアー映像や舞台裏の様子、メンバーへのインタビュー等をまじえて、彼らの独自サウンド“Unza Unza”の真髄を描き出すドキュメンタリー。
黒猫・白猫
ドナウ川のほとりで暮らす親子、マトゥコとザーレ。マトゥコは一攫千金を夢見て石油列車を盗もうとする一方、息子のザーレは奔放な娘に恋をする。ザーレの祖父やゴッドファーザー、新興やくざのダダンが加わり、ジプシーの人々によって繰り広げられる人間味あふれる協奏曲。
アンダーグラウンド
1940~90年代のユーゴスラビアの激動を描く。ナチス侵攻下のベオグラード。抵抗組織パルチザンで活動するマルコは、クロをはじめとする仲間たちを地下の隠れ家に退避させるのだが。吹き鳴らされるバルカン音楽、狂乱の中に現れる悲哀。
アリゾナ・ドリーム
伯父の結婚式でアリゾナを訪れた青年。そこで出会った奔放で美しい未亡人は空を飛ぶことを夢見、その義理の娘は亀になることを夢見ている。夢と現実の狭間につかまった彼ら。ときどき現れる空飛ぶ魚が幻想の道しるべ。
ジプシーのとき
ユーゴスラビアのジプシーの村に祖母や妹、叔父と共に暮らすペルハン。足の悪い妹の面倒をよく見、村の美しい少女に恋をする心優しい彼だったが、やくざ者のアーメドと関わったことで、ちんけな悪事の世界に流されていく。大事な心を失ってしまった青年の苦悩と成長を、ジプシーの民謡に乗せて幻想的に描く。
パパは、出張中!
スターリン主義に反発し、独自政策を打ち出した1950年代ユーゴスラビア。少年マリクの父は密告により強制労働を課せられ、家を離れる。母は少年にパパは出張中なのだと伝える。混迷するユーゴスラビアを少年の視線を中心に描いた作品。
ドリー・ベルを覚えているかい?
1960年代のサラエボ。マルクス主義の父とムスリムの母のもと、小さな古家に住む若者ディノは、記録映画に見た踊り子ドリー・ベルに淡い恋心を抱く。ある日ディノは地元の悪党から若い女性を預かるが、彼女は踊り子と同じ名だった。催眠術に凝るディノが「日々よくなる」と自分に唱え続ける姿と、遠くに見える高層の国営住宅街に当時を感じる。
(ゲルニカ)
短編