قهرمان(ghahreman)
英雄の証明
古代遺跡が残る町シーラーズ。借金未済の罪で服役中のラヒムは休暇で町に出る。彼は恋人が拾った金貨を使って借金を返そうと考える。しかし、気が進まない。結局、金貨の持ち主を探し出して返却する。その話が美談として広まり、ラヒムは英雄視されるのだが。その場しのぎの嘘に関係者の利益と思惑が絡み合う。吃音症の息子シアヴァシュ。父ラヒムを見つめる眼差しが痛ましい。
詳細
- 公開年
- 2021
- 製作国
- フランス
- イラン
- 監督
- アスガー・ファルハディ
اصغر فرهادی, Asghar Farhadi
更新
1972年、イランのホメイニー・シャフル生まれ。10代で映画に興味を持ち始め、1986年にエスファハーンにある青年映画協会に参加し、8mmと16mmの短編を製作した。テヘラン大学の演劇学校、Tarbiat Modares大学院で映画や舞台製作について学んだ。これらの形成期に、短編映画6作とテレビドラマ2作を製作している。『フライト・パニック』(2002)でエブラヒム・ハタミキア監督と共に脚本を執筆し、映画界に進出した。『砂塵にさまよう』(2003)で監督デビュー。『美しい都市』(2004)でワルシャワ国際映画祭グランプリ、『彼女が消えた浜辺』(2009)でベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)、『別離』(2011)でベルリン国際映画祭金熊賞、アカデミー賞外国語映画賞、セザール賞外国映画賞など、『セールスマン』(2016)でアカデミー賞外国語映画賞を受賞。
英雄の証明
古代遺跡が残る町シーラーズ。借金未済の罪で服役中のラヒムは休暇で町に出る。彼は恋人が拾った金貨を使って借金を返そうと考える。しかし、気が進まない。結局、金貨の持ち主を探し出して返却する。その話が美談として広まり、ラヒムは英雄視されるのだが。その場しのぎの嘘に関係者の利益と思惑が絡み合う。吃音症の息子シアヴァシュ。父ラヒムを見つめる眼差しが痛ましい。
誰もがそれを知っている
スペインの田舎町の雰囲気を堪能。そして、小さな共同体の閉塞感も。妹の結婚式に参加するため、子供たちを連れてアルゼンチンから帰郷したラウラ。温かさとにぎやかさに包まれた宴の夜、娘のイレーネが忽然と姿を消す。大きく動揺するラウラに届いたのは、身代金を要求するメッセージだった。
セールスマン
アパートに倒壊の恐れがあり、夫婦は新しい住まいに急きょ引っ越す。落ち着かないなか、妻のラナが自宅で何者かに襲われる。そっとしておいてほしいと言う妻に対し、夫のエマッドは犯人探しに躍起になるのだが。劇団員でもある夫婦が演じる劇中劇『セールスマンの死』をはじめ、さまざまなテーマが隠されたサスペンス・ミステリー。
ある過去の行方
イランに住むアーマドは、妻マリーとの離婚手続きのため、4年ぶりにパリを訪れる。彼らが以前暮らした家で、マリーは恋人と新しい生活を始めていた。しかし、家庭の雰囲気は落ち着かず、マリーの長女は秘密を抱えているようだった。ひとつの過去が連鎖して、ほかの過去をさらけだす。変えられない過去を前にして、人はどのように未来を向くのか。
別離
娘の将来のため、国外へ出たい妻シミン。認知症の父を置いて行けないと反対する夫ナデル。シミンは離婚してでも移住しようとするが、折り合いがつかず、暫定的に家を出る。ナデルは家政婦を雇い、父の面倒を頼むのだが。家族、親子、信仰、自尊心、貧富。さまざまな社会的要素に緊張感のある筋立てで切り込んだ秀作。夫婦の板挟みになる娘テルメーをファルハディ氏の娘が好演。
彼女が消えた浜辺
休暇で海辺を訪れたセピデーたち3組の家族と若い女性エリ(タラネ・アリドゥスティ)。セピデーは離婚したアーマドにエリを紹介しようと考えていた。しかし、家族の子供が海でおぼれる事故が起こる。そのさなか、エリの姿が見えないことに皆が気付く。エリはどこに消えたのか。事態を収拾するため、皆は嘘を重ねるが。イラン社会での宗教に対する温度差や価値観の違いが感じられるサスペンス・ミステリー。
火祭り
新年を控えた火祭りのテヘラン。家政婦のルーヒ(タラネ・アリドゥスティ)は日雇いの仕事で高層マンションの一室を訪れる。窓ガラスが割れたその部屋は、越して来たばかりなのか荷が解かれず山積みになっていた。ルーヒが片付けるそばで、夫と妻は険悪な言い争いを始める。火祭りの爆竹が鳴り響く不穏な雰囲気。結婚間近なルーヒの無垢な目に、夫婦の姿はどのように映ったのか。
美しい都市(まち)
「美しい都市」と呼ばれる町にある少年院。青年アーラは親友アクバルの誕生日を盛大に祝うが、アクバルは悲しみに暮れる。死刑宣告を受けていた彼は、18歳になると刑が執行可能になるのだった。アーラはアクバルを救うため、少年院を出てアクバルの姉に協力を仰ぐ。そして、死刑を取り下げてくれるよう被害者の父親に頼むのだが。姉を演じるタラネ・アリドゥスティが美しい。
砂塵にさまよう
青年ナザルはバスで一目惚れしたレイハネと恋に落ち、結婚する。しかし、レイハネの母によからぬ噂が立ち、彼は家族から離婚を強いられる。慰謝料や結婚ローンの支払いに四苦八苦するナザル。警察にも追われ、見知らぬ車に忍び込み、たどり着いた先は砂漠の真ん中だった。車の持ち主は蛇捕りの孤独な老人。無償の愛に生きるナザルとの対比が物悲しい。