カズオ・イシグロ
Kazuo Ishiguro
更新
1954年長崎生まれ。1960年に父親の仕事の関係でイギリスに渡る。ケント大学で英文学と哲学を専攻。卒業後は社会事業に従事。当時ミュージシャンになることを考えていたが、やがて文学へ方向を転換し、イースト・アングリア大学大学院で創作法を学んだ。短編をいくつか発表したのち、『遠い山なみの光』(1982)で王立文学協会賞、『浮世の画家』(1986)でウィットブレッド賞、『日の名残り』(1989)でブッカー賞、2017年にノーベル文学賞を受賞。主人公の主観的な独り語り、過去と現在の交錯が特徴。
Klara and the sun
クララとお日さま
書誌情報
クララとお日さま
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 土屋政雄
- 出版者
- 東京 : 早川書房
- 出版年
- 2021
- ISBN
- 9784152100061
Klara and the sun
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Faber & Faber
- 出版年
- 2021
- ISBN
- 9780571364879
The buried giant
忘れられた巨人
魔物も潜み住むという中世初期のイングランド。アクセルとベアトリスの老夫婦は、少し離れた場所に暮らすはずの息子を尋ねて旅に出る。しかし地を霧のように覆う物忘れの病に彼らの記憶はあいまいで、旅路は不安に満ちたものとなる。記憶の選択を巡る、隠喩にあふれた物語。
書誌情報
忘れられた巨人
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 土屋政雄
- 出版者
- 東京 : 早川書房
- 出版年
- 2015
- ISBN
- 9784152095367
The buried giant
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Faber & Faber
- 出版年
- 2015
- ISBN
- 9780571315031
Nocturnes
夜想曲集
ベネチアの広場のカフェバンドでギターを演奏する男が、母のお気に入りだった往年の名歌手に出会い、ある頼み事を引き受ける「老歌手」、若いチェリストが大家だという女性から指導を受ける「チェリスト」ほか、音楽に関わる人々を主人公にした、ゆるくつながる連作短編集。
書誌情報
夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 土屋政雄
- 出版者
- 東京 : 早川書房
- 出版年
- 2009
- ISBN
- 9784152090393
目次
- 老歌手
- 降っても晴れても
- モールバンヒルズ
- 夜想曲
- チェリスト
Nocturnes: five stories of music and nightfall
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Faber & Faber
- 出版年
- 2009
- ISBN
- 9780571244980
目次
- Crooner
- Come rain or come shine
- Malvern Hills
- Nocturne
- Cellists
ref. WorldCat
Never let me go
わたしを離さないで
“提供者”と呼ばれる人々の介護人を長く務めるキャシー。もう少しでその任務を終える彼女は、生まれ育った施設ヘールシャムで共に過ごした友人たちのことを思い起こす... 私たちは幸せだったのかしら?
書誌情報
わたしを離さないで
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 土屋政雄
- 出版者
- 東京 : 早川書房
- 出版年
- 2006
- ISBN
- 4152087196
Never let me go
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Faber & Faber
- 出版年
- 2005
- ISBN
- 0571224113
A village after dark
日の暮れた村
短編
かつて人々に大きな影響を与えた男は、以前暮らしたことのある村を訪れる。しかし、それほど若くはない男は、石造りのコテージが並ぶ狭い街路の中で方向を見失い、広場の場所を尋ねようと一軒のコテージのドアをノックする。
出版情報
- 初出
- The New Yorker, 2001, May 21, 86-91
- 収録先
- 池澤夏樹 編, 世界文学全集 3-06, 河出書房新社, 2010
- 柴田元幸 編訳, 紙の空から, 晶文社, 2006
Early Japanese stories
(日本を舞台にした初期短編集)
書誌情報
Early Japanese stories
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Belmont Press
- 出版年
- 2000
- ISBN
- -
目次
- A strange and sometimes sadness
- The summer after the war
- A family supper
ref. WorldCat
When we were orphans
わたしたちが孤児だったころ
名門大学を卒業後、かねてから志していた探偵への道を歩み出したクリストファー。その職業を選んだ背景には、子どもの頃に過ごした上海での出来事があった。1930年代のロンドンと上海を舞台に描く、失われた過去について。
書誌情報
わたしたちが孤児だったころ
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 入江真佐子
- 出版者
- 東京 : 早川書房
- 出版年
- 2001
- ISBN
- 4152083425
When we were orphans
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Faber & Faber
- 出版年
- 2000
- ISBN
- 0571203841
The unconsoled
充たされざる者
著名なピアニストであるライダーは、音楽的な危機に陥ったある町を救うために招へいされる。しかし彼のこなすべき予定は多忙を極め、状況は複雑かつ困難になる一方だった。シュールな夢のような物語。
書誌情報
充たされざる者
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 古賀林幸
- 出版者
- 東京 : 早川書房
- 出版年
- 2007
- ISBN
- 9784151200410
充たされざる者(上)
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 古賀林幸
- 出版者
- 東京 : 中央公論社
- 出版年
- 1997
- ISBN
- 412002704X
充たされざる者(下)
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 古賀林幸
- 出版者
- 東京 : 中央公論社
- 出版年
- 1997
- ISBN
- 4120027058
The unconsoled
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Faber & Faber
- 出版年
- 1995
- ISBN
- 057117387X
The remains of the day
日の名残り
イギリスの屋敷ダーリントンホール。執事のスティーブンスは、新しい主人の勧めもあり、休暇を取って小旅行に出かける。かつての主人ダーリントン卿や共に働いた女中頭のこと、よき執事とは何か... 道中、彼の頭をよぎる回想の物語。
書誌情報
日の名残り
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 土屋政雄
- 出版者
- 東京 : 早川書房
- 出版年
- 2001
- ISBN
- 4151200037
日の名残り
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 土屋政雄
- 出版者
- 東京 : 中央公論社
- 出版年
- 1990
- ISBN
- 4120019470
The remains of the day
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Faber & Faber
- 出版年
- 1989
- ISBN
- 0571153100
An artist of the floating world
浮世の画家
第二次世界大戦後の日本を舞台に描く、独善についての物語。戦時に栄華を極めた画家小野は、娘や孫と暮らす隠居生活のなかで独り語る。
書誌情報
浮世の画家
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 飛田茂雄
- 出版者
- 東京 : 早川書房
- 出版年
- 2006
- ISBN
- 4151200398
浮世の画家
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 飛田茂雄
- 出版者
- 東京 : 中央公論社
- 出版年
- 1988
- ISBN
- 4120016471
An artist of the floating world
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Faber & Faber
- 出版年
- 1986
- ISBN
- 0571136087
October, 1948
(1948年10月)
短編
出版情報
- 初出
- Granta, 1985, 17, 177-185
The summer after the war
戦争のすんだ夏
短編
出版情報
- 初出
- Granta, 1983, 7, 121-137
- 収録先
- Early Japanese stories(2000)
- Esquire 日本語版, 1990, 36
- 参考
- レファレンス協同データベース>カズオ・イシグロ著の『The summer after the war』の日本語訳を読みたい。
A pale view of hills
遠い山なみの光|女たちの遠い夏
イギリスで暮らす日本人の悦子。彼女は娘を亡くしたことをきっかけに、ある母娘のことを思い出す。彼らとは、娘がまだお腹にいた頃、戦後の長崎で知り合ったのだった... 幸せを求め、心の拠り所を探りながら生きる人々を描く。
書誌情報
遠い山なみの光
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 小野寺健
- 出版者
- 東京 : 早川書房
- 出版年
- 2001
- ISBN
- 415120010X
女たちの遠い夏
- 著者
- カズオ・イシグロ
- 訳者
- 小野寺健
- 出版者
- 東京 : 筑摩書房
- 出版年
- 1984
- ISBN
- -
A pale view of hills
- 著者
- Kazuo Ishiguro
- 出版者
- London : Faber & Faber
- 出版年
- 1982
- ISBN
- 0571118666
A family supper
ある家族の夕餉|夕餉
短編
ふぐ中毒で母が亡くなった当時、男はアメリカで暮らし、両親とは不仲だった。二年後、先の予定を決めずに帰国した男は、厳格な父と大学生の妹と再会し、鎌倉の実家で夕食をふるまわれる。秋の落日。ある家族の静かな物語。
出版情報
- 初出
- Firebird, 1983, 2, 121-131
- 収録先
- 阿部公彦 編, しみじみ読むイギリス・アイルランド文学, 松柏社, 2007
- Early Japanese stories(2000)
- 集英社ギャラリー「世界の文学」5(イギリス4), 集英社, 1990
Getting poisoned
(毒されて)
短編
男の所に出かけてばかりいる母の顔には一昨日あざがあった。僕は猫とある遊びをしている。セックスは毒きのこ。食べるまでわからない。男が僕より少し年上の娘を連れて越してきた。彼女はビキニ姿で日を浴びる... 10代の少年が日記形式でつづる夏休みの出来事。
出版情報
- 初出
- Introduction 7, Faber & Faber, 1981
Waiting for J
(Jを待ちながら)
短編
学者の男は40歳の誕生日を迎えた日、ノミや文鎮、ナイフといった即席の武器を机の上に並べ、Jが訪れるのを待っていた。Jと男は少年時の遊び仲間だったが、Jが故郷の村を出るとき、ふたりはある取り決めをしたのだった。
出版情報
- 初出
- Introduction 7, Faber & Faber, 1981
A strange and sometimes sadness
(奇妙で時折の悲しみ)
短編
イギリスに暮らす日本人のミチコは、長崎での幼なじみヤスコにまつわる不可思議な出来事を思い起こす。彼女はやさしく物静かな人だったが、戦時の空気は彼女に合わず、不幸が続いたのだった。
出版情報
- 初出
- Bananas, 1980, 21, 40-43
- 収録先
- Early Japanese stories(2000)
- Introduction 7, Faber & Faber, 1981
- 参考
- Galactic Central>The FictionMags Index