日記をちょきちょき
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先日久しぶりに帰省したとき、親の家に置いていた古い日記を回収してきた。10歳頃からの約20年分。連用日記を使っていた期間もあるので、全部で15冊ほど。
読まれると嫌なので、親の体力では届かない棚の一番上に隠していた。しかし、いざ取り出そうとすると、ぐらぐらと足元が危なっかしく、自分の体力の衰えを感じた。
中年に差し掛かり、日記との付き合い方も少しずつ変わってきた。昔はそのときの感情を生のまま書き殴ることが多かったが、最近は心の中でいちど整理して書くことが多くなった。また、日記に書く人の名前もイニシャルや記号になったり。
自分に万が一のことがあり、残された日記が誰かの目に触れる場合に備えたいという気持ちがある。
それで数年前、日記の保管は過去10年分と決めて、古いものは処分することにした。10年が近いか遠いかは微妙ではあるが、日記を読まないと思い出せないようなことは忘れても問題ないかと思い、切りよく10年にした。
先月は合間を縫って、回収した日記を新しい順に読み返し、満足したらはさみでちょきちょきと切り刻んでいた。
記憶にある私やない私が入れ替わり立ち替わり現れ、幼くなるにつれて悩みは小さくなっていく。けれども、当時の私には大きな悩みだったはずで、それなりに頑張って生きてきたのだと少し愛おしくなった。