ブルゴーニュワインの勉強メモ(2)とブルゴーニュのクラフトビール
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近所ではカササギたちが縄張り争いを繰り広げ、木々の冬芽も心なしかふっくらしてきた。もう少しで春が来る。ブルゴーニュでの滞在も残すところ1か月。ワインはあとどれほど飲めるだろうか。
今回の勉強メモは、ワイン5本とおまけでブルゴーニュのクラフトビールについて。
その8:クレマン・ド・ブルゴーニュ
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Appellation Crémant de Bourgogne Contrôlée
2012
Brut
L'Aurore Prestige
2015年12月 カルフールにて7.80ユーロで購入
ラングル(Langres)というチーズに合わせようと選んだ。ラングルはシャンパーニュ地方のラングル高原で作られる。シャンパーニュといえばシャンパンの産地。しかし、ここはブルゴーニュなので、ブルゴーニュ産の発泡酒にしてみた。甘すぎず、かすかな塩気。
ラベルの“Millésimé”は「ヴィンテージ」と同じ意味で、ブドウの当たり年を指すらしい。
裏側のラベルに“Mélange harmonieux de Chardonnay et Pinot Noir(シャルドネとピノ・ノワールがバランスよく合わせられている)”とある。ピノ・ノワールは黒い皮のブドウなので、赤ワインにしかならないと思っていた。しかし、赤と白の醸造方法の違いを知ると、黒ブドウから白ワインができるのは、おかしなことではない。赤ワインは皮も含めてブドウの実を丸ごと発酵させるので、液に色が移る。白ワインは皮を取り除いて絞った果汁を発酵させるので、色が移らない。
その9:ミュスカ
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Appellation Alsace Contrôlée
Muscat
2013
Jean Becker
2015年12月 カルフールにて8.20ユーロで購入
アルザス地方のストラスブールへ行ったとき、レストランで家人がマスカット種の白ワインを頼んだ。マスカット種のワインはアルザス地方の名産らしいが、そのときはよくわかっていなかった。帰宅後、おいしかったねと思い出し、同じ種類のワインを探してみようということに。
生産者のJean Beckerは、1610年から続く歴史ある作り手のようだ。マスカットの香りがふわっと広がるが、味は甘くなく、すっきりとした辛口。
その10:ジヴリ
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Appellation Givry Contrôlée
2014
Pelletier-Hibon
2015年12月 カルフールにて12.90ユーロで購入
つづりは違うものの、あのアニメのジブリと似た響きのワインがある、と選んだ。AOCの村名アペラシオンで、生産地域はコート・シャロネーズ。少し渋みがあったが、味の形がしっかりしていて、好みな赤ワインだった。お肉とよく合う。
その11:ブーズロン
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Appellation Bouzeron Contrôlée
2014
L'hermitage de Nantoux / S. A. R. L. Moreteaux et Fils
2016年1月 カルフールにて10.10ユーロで購入
AOCの村名アペラシオンで、生産地域はコート・シャロネーズにあるコミューン、ブーズロン(Bouzeron)とシャセ=ル=カン(Chassey-le-Camp)。アリゴテ種から作られる白ワイン。ワインに感じる塩気とは?と考えるこの頃だが、このワインもかすかな塩気を感じた。
Moreteaux et Filsは、1940年から続く家族経営のドメーヌのようだ。L'hermitage de Nantoux(ナントゥの隠れ家)はドメーヌの通称だろうか。ドメーヌはシャセ=ル=カンのナントゥに所在する。
その12:サン・ブリ
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Appellation Saint-Bris Contrôlée
2014
Clotilde Davenne
2016年 カルフールにて8.05ユーロで購入
ブルゴーニュの白ワインの大半はシャルドネ種から作られる。そのなかでサン・ブリはブルゴーニュで唯一ソーヴィニヨン種から作られている。ソーヴィニヨン種はフランス西部が原産だ。
AOCの村名アペラシオンで、生産地域はグラン・オーセロワの特定地域。生産者のClotilde Davenneさんは、シャブリの有名ドメーヌで長年醸造を手がけたあと、自らのドメーヌを立ち上げた女性醸造家だそう。
マスカットのような、緑のブドウらしいさわやかな香りが印象的な白ワイン。私には少し辛かった。
番外編:ブルゴーニュのクラフトビール
過ぎたるは猶及ばざるが如し。ワインに飽きてきた私は思った。タコライスを食べながらビールを飲みたい。
スーパーで、日本でもよく見かけるオールドエルパソのタコスキットを手にしたあと、ビールコーナーへ。ブルゴーニュのクラフトビールを飲んでみよう。
ワインの産地でビールを作る人がいるのか不明だったが、Brasserie Larchéという醸造所の製品が割に大きな空間をとって展開されていた。
Brasserie Larchéはブルゴーニュの北端に位置するヨンヌ県のサンスという町にある醸造所。1996年の創業だが、もともとは1945年にサンスで生まれたビール醸造所の流れを継いでいるようだ。
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まず初めに飲んでみたのは、トマス・ベケット(Thomas Becket)シリーズのBrune(茶色)。茶色のビールは暖炉の前でぬくぬくとくつろぐような気分になれるので好きだ。ここのBruneはとてもBruneらしい味でおいしかった。香ばしさが心地よく、飲み終えた瓶からも焼きたてのパンのようなよい香りが漂っていた。
次に飲んだのはEmbrasée(ほのお色)。香りは好みだったが、炭酸が強かったため辛く感じた。Ambrée(琥珀色)は、BruneとEmbraséeを足して二で割ったような味。Blonde(金色)は日本のラガービールにBruneの香りが合わさった感じで、割と好みだった。Blanche(白色)はもう少しフルーティーな香りがするとよかったかな。
シリーズ名のトマス・ベケットは、12世紀イングランドの聖職者の名前に由来するのだとか。ベケットは国王と対立し、フランスへ逃亡。滞在先がヨンヌ県のポンティニーにある修道院だったそう。
カルフールで購入。値段はBruneが2.15ユーロ、そのほかは2.10ユーロ。